【子育て】思春期の子どもとのコミュニケーション

子育て

 子育てをしているときによく耳にする言葉として「子どもの良さを見つけて、褒めることが大切だよ」があります。
 でも、子どもも成長して思春期になると子どもからの反発も増えてくるし、「良いところが見つからない」「褒め方がわからない」と感じることも多々あるのではないでしょうか。
 そんな時は「子どもの良さ」を抽象的ではなく具体的に伝えるという方法でやってみましょう。

もっと ハードルを下げて

思春期になると、親子のコミュニケーションが難しくなりがちです。

 親と子の人としての「礎」は信頼関係です。信頼関係が弱いと、さまざまな面でぎくしゃくして物事がスムーズに進まないことも起きてきます。関係がうまくいかなくなったと感じたら、原点に戻って信頼関係が「礎」なんだというところから見直すことが大切だと思います。
 信頼関係は、親から子にたくさんの愛情を注ぐ中で育まれていくものですよね。
ただ、「愛情を注ぐって?」
「具体的にどうしたらいいの?」
「わからないよ?」と感じる方も多いのではないでしょうか。

 私は、「子どもの良さを伝える」ことが、愛情を注ぐことの中身だと思うのです。良さを十分に伝え続けることで、愛情は伝わり、信頼関係が強まります。

特に思春期は、子どもの良さに気づきにくくなる面もあるようです。

 「子どもの良さをいくつ言えますか?」と聞くと、ほとんど言えない人がいます。「優しい」「まじめ」「明るい」と抽象的なことは言えても、具体的なことを言えない、といった方も少なくありません。
 親は知らず知らずのうちに、子どもに求める理想が高くなり、本当は良いところがたくさんあるのに、見えづらくなっているのです。
 子どもに求めるハードルはもっと下げるべきでしょう。「何でも褒めたら、いい子が育たない」と言う方もいますが、それは誤解。
 例えば、簡単な宿題であっても自分からはやらなかった古賀少しでも自分でするようになったら、成長であり、良さです。「簡単な宿題なのに、全部やらないんてとんでもない!」などと捉える必要なありません。まずは親の価値観を変えること。褒める基準、価値観が変われば、子どもの良さはいくらでも見つかります。勉強以外のことでもよいのです。マスクを着けたり、朝、トイレを済ましてから登校したりといった、ささいなことであっても、子どもの良さです。

良さを伝えるときのポイントはありますか。

 日頃の子どもの様子をよく観察し、抽象的ではなく、「具体的」に伝えること。「優しい」だけでは説得力がなく、伝わりづらい。言い方は「あなたは〇〇する力があるね。お母さん(お父さん)はうれしい」が私のお勧めです。
 「多くの宿題に挑戦する力があるね」「お母さん(お父さん)、うれしい」などと、たとえ、わずかな変化だったとしても伝えるのです。

親の本心は子どもに通じる

ハードルを下げて、良さを伝える

 ハードルを下げて、良さを伝えると、「そんなの誰にでもできる当たり前のことだよ」「ふざけないで」などと、逆に怒られてしまうこともありますが。
 親が本心から言っていることであれば、子どももいずれ納得します。
 「お母さん、ふざけないで」などと言われても、「いやいや、本当にそう思うのよ」と言えばよいのです。
 こうしたときは親が「試されている」と思いましょう。子どもは、「お母さんは本当は思っていないのに、私をもっと頑張らせるためにあえて、思ってもいないことを言って、褒めようとしている」と疑っています。
 だから、「ふざけないで」などと言えば、親はすぐにやめるだろうと思っているわけです。「親の本心をばらしてやろう」との思いで、試してくることはよくあります。でも、動じないことです。
 こそだてには根気が必要。子どもが何度試してきても、ひるまず、正しいと思うことは何度も言い続けること。怒鳴る必要はありません。淡々と伝えればよいのです。伝わらなかったら何度でも、たとえ100回でも伝える。それくらいの気持ちが大切ではないでしょうか。
 子どもを信じ、関わった分、子どもは必ず変わります。そのことは多くの親子に関わった経験上、強く感じています。

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